エコー(超音波検査)
超音波(エコー)検査では高周波音波を利用して体内組織を視覚化します。犬・猫を傷つけず、ほとんど場合で沈静・麻酔剤なども使用せずに検査が可能です。
体の表面から目的臓器に向けて超音波を入射させることで、密度の異なった各組織の境界で超音波は反射(エコー)されます。これにより内臓の異変をいち早く発見することができ、動物医療において重宝されています。
※性格上難しい場合もございますので、その際はご了承ください。
※一部、毛を刈らせて頂くこともございます。
超音波検査の特徴
- 検査には痛みを伴いません。
- 体を傷つけないまま多方向から臓器を観察でき、また動きも確認できます。
- 検査結果はその場ですぐに分かり、精密検査にも使われています。
心臓病検査について
聴診やレントゲン検査で心臓の具合が悪そうだと判断される場合は超音波診断装置を使用した精密検査を実施しています。
人間と同じく、犬や猫などのコンパニオンアニマルでも高齢化に伴い心臓病の発生率が高くなってきています。一口に心臓病と言ってもその種類や程度は様々であるため、それらを正確に診断するためには超音波検査は不可欠です。
超音波診断装置を用いた心臓の検査では、心臓の動きや内部の構造、さらには血液の流れまで見ることが可能であるため、直接的に心臓を見ているような”詳細情報”を確認できます。この検査によって得られた情報とその他の検査結果から心臓病の種類や重症度、病気の進行の早さなどが見えてきます。
超音波診断では麻酔が必要ありません。 検査時間は病気の種類などにもよりますが15分~30分程かかります。
診断例)僧帽弁閉鎖不全症
高齢のワンちゃんでよく発症する病気です。
僧帽弁とは左心房と左心室を区切っている逆流防止弁ですが、この弁の異常により左心室から左心房へ血液が逆流してしまう症状です。
初期は症状がありませんが、徐々に悪化して咳などの症状が認められるようになります。最終的には肺水腫(はいすいしゅ)に陥り呼吸困難をきたします。
腹部検査について
腹部の検査でも超音波診断装置は威力を発揮します。
触診やレントゲン検査で腹部に異常を認めた場合、超音波検査での精密検査を実施しています。
胃や腸、肝臓や脾臓、腎臓や膀胱、前立腺や子宮などの形態、内部構造、あるいは胃や腸の動きなどを正確に診断することが可能です。
心臓の検査と同様、麻酔の必要はありません。検査時間は調べる箇所によりまちまちですが、15分~30分程度かかります。必要な場合には腹部の毛を少しだけ刈らせて頂くことがあります。
診断例)子宮蓄膿症
雌犬によく認められる子宮蓄膿症という病気です。拡張した子宮が認められます。